19 Jun
19Jun

3つの町、3つのストーリー。そして問いかけ:日本の田舎にとって、次の一歩は?

今週はちょっと変わったことを試してみようと思います。ただ見たり体験したりしたことを話すのではなく、ルアンが集めた考えを少しシェアしたいと思います。ほとんどはルアンの意見ですが、有益な内容でもあり、それでいて楽しめるものになっていると思います!


大都市 vs 小さな町:肌で感じる差

これは日本だけの問題ではありません。世界中で若者たちは仕事・文化・つながりを求めて大都市へ流れています。日本でも、東京や大阪といった都会が成長を続け、一方での住む岩手県一戸町のような田舎は人口減少に直面しています。

しかし、ある地域ではその流れを変えようとしています。


事例① 徳島・神山町 ― 大自然にWi‑Fiを

徳島県の山深い小さな町、神山町。新幹線もスターバックスも、駅すらありません。けれど、町はその代わりに「自然」「静寂」「広がり」を武器にしました。

大胆にも、山間部や森の中一帯に高速インターネットを整備。リモートワークの拠点として、スタートアップやクリエイター、大企業のサテライトオフィス誘致に成功しました。

さらにアートも導入。アーティスト・イン・レジデンスを開設し、壁画やインスタレーションを展開。地元限定の作品コレクションまで生まれました。東京のプログラマーも、大阪の彫刻家も、杉の木に囲まれたカフェで一緒に仕事をする——そんな温かい混沌が町の風景になっています。


事例② 長野・飯田市 ― 人形劇とみんなの参加

長野県の山並みに抱かれた飯田市は、文化を軸に動きました。日本最大級の人形劇フェスティバルを開催し、世界中から演者や観客を集めています。公園、学校、劇場…町全体が舞台です。

注目すべきは、文化が戦略になっている点。人形劇は教育と結びつき、子どもたちは劇を通じて学び、アーティストはまちなかに関わる。国際交流も盛んで、住民が意思決定に参加します。

文化的アイデンティティは「遺産」だけでなく、「再創造のツール」になり得る——そのことを飯田は物語っています。


事例③ 高知・梼原町 ― 太陽と木造建築の融合

さらに奥地、高知県の梼原町は「持続可能性」と「美しさ」に注力しています。水力・太陽光・風力の導入により、エネルギー自立を目指しています。

同時に、建築家・隈研吾氏と協働し、木造の公共建築を次々に整備。地域林業と連携した美しいデザインが特徴です。

結果として──まるでジブリ作品のよう。自然と共存し、デザインと環境が調和する、本当に実在する町が誕生しています。


岩手・一戸はどうか?

岩手県は険しい山々、美しい海岸線、深い歴史を秘め、「遠い」「静かすぎる」と都会の人に言われがちです。しかし、平泉の寺院や三陸海岸の大自然など、世界にも誇れる文化・自然がここにあります。

その中に、一戸町もあります。

一戸は、盛岡から車や電車で1時間ほど。昭和時代の映画館「万代館」、奥中山のスキー場、そして縄文時代の歴史と地域活動が融合する「御所野縄文公園」が週末ごとに賑わいます。神楽やお祭りといった伝統も色濃く残っています。

そして驚くべきことに、一戸は風力とバイオマスで、自給の2倍の電力を生み出しています。日本ではほとんど例のないエネルギー生産力です。なのに、なぜあまり知られていないのでしょうか?


では10年後、一戸はどうなる?


ルアンは、これからの一戸の未来は上からの政策ではなく、人・文化・大胆な想像力から生まれると信じています。すでにある材料――クリーンエネルギー、豊かな文化、アクセス可能な自然、結束したコミュニティ。あとは、「旧」と「新」をつなぐ共有ビジョンが必要です。

  • 御所野は、歴史的な遺産であると同時に、芸術家や物語を伝える人々の創作の場になることができるでしょうか。
  • スキー場は、冬の芸術交流の場として活用できるでしょうか。
  • 神楽や祭りの持つ創造性を活かして、まちなかの絵や食の催し、映画の上映会、ものづくりの滞在活動などに広げていけたらどうでしょうか。

一戸は東京になる必要はありません。神山のようになる必要もない。ただ、自分らしく――もっと声高く、もっと誇りを持って、もう少し大胆に。田舎=衰退ではなく、再創造へ──もしかすると、日本の次章は、都会ではなく、山影の中から始まるのかもしれません。

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